【書評】プロジェクトを変える12の知恵 ケンブリッジ式ファシリテーション 影山明
あなたが担当したプロジェクトの成功率はどれぐらいだろうか?
30パーセント?50パーセント?80パーセント?
もし、自分のプロジェクトを成功に導くための具体的な方法論があれば、ぜひ知りたいといつも思う。
著者は、支援したプロジェクトの成功率が、95パーセントを超えているという会社のコンサルタント。一般的に、ITプロジェクトの成功率は50パーセント程度だと言われている中で、この数字は驚異的だ。このような高い成功率を上げているプロジェクトでは、一体どんな仕事の進め方をしているのだろうか?
本書の中で、著者の会社で実際に行われている12の方法論について具体的に紹介している。プロジェクト成功の秘密を学んでみよう。
- その1 プロジェクトゴールとCSF
- その2 ノーミング・セッション
- その3 グラウンド・ルール
- その4 セッション・ゴールとアジェンダ
- その5 セッション・プラン
- その6 課題管理
- その7 チェックポイント
- その8 「80・20」
- その9 ファンクショナリティ・マトリクス
- その10 イエローフラッグ
- その11 タイムアウト・ルール
- その12 HAVE FUN!
「方法論」というと、単なるテクニックの話のように聞こえるかもしれないが、そうではない。根本には、「仕事を楽しむ」という価値観の共有が必要だ、と著者は言う。
『チームメンバー全員で仕事の楽しみを分かち合うことができれば、私たちは素晴らしい成果をあげ、お客様も私たちと仕事をするのが本当に好きになるはずです』
仕事を楽しめば成果が上がるはず、という考え方だ。「HAVE FUN!」が、これら全ての方法論を総括しているのだろう。
プロジェクトマネジメントというと、とかく、勘と気合いと経験などと言われるが、本当は「技術」であり「スキル」であるということが本書を読むと良くわかる。
プロジェクトマネジメントが「技術」であれば、それは訓練によって取得可能だし、再現性もある。正しく使えば、上手くいく確率も上がるだろう。筆者が紹介している方法論は、どれも具体的で、明日からすぐにでも実践できるものばかりだ。私も、本書で紹介されている方法論のどれか一つでも、自分のプロジェクトで最初からやっていれば良かったな、と感じている。
あなたも、これらの「方法論」を学んで現場で実践してみてはいかがだろうか。最初は上手く使えないかもしれないが、誰でも最初はそうだ。失敗もするだろう。しかし諦めずに何度もトライしてみてほしい。
そうすればあなたのプロジェクトの成功率は、確実に上がるはずだ。
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