【書評】叱り方ハンドブック 齋藤直美

あなたは、部下を叱って失敗した経験はありますか?

部下や後輩の仕事ぶりを見ていてイライラが募り、つい声を荒げてしまう。そんな経験は誰にでもあると思います。

ある調査によると、上司の立場の人の約7割が、部下を叱って失敗した経験があると回答しています。それほど「叱る」ことは難しいもの。しかも、誰も「叱り方」など教えてくれません。

あなた自身も、「叱り方」は自然と身につくものだと思い込んでいませんか?

 

本書は、「叱り方」を学ぶためのハンドブックです。

著者は、褒める・叱るで成長させる社員研修で有名な、株式会社ミュゼ代表取締役の齋藤直美氏。

今まで「叱り方」について学んだ事がない方でも、叱り方の基本が身につくように、構成されています。

第1章 気まずくならない叱り方の心得

第2章 まずは知っておきたい、パッと叱る方法

第3章 モラル、マナー、職場のルールを伝える

第4章 気まずくならないフォローの言葉

第5章 部下の反発、逆切れ、不満、言い訳の切り返し法

第6章 シチュエーション別の叱り方

第7章 部下のタイプ別の叱り方

第8章 叱りにくい部下、叱りにくいシチュエーション

第9章 叱ったのに効果が見られない場合の対処法

しかし、ただ単に小手先のテクニックだけに頼らないで欲しいと、著者は言います。

どんな言葉で伝えるか、ということも大切ですが、それ以上に、どんな想いで伝えるか、ということのほうが大切なのです

「叱り方」という道具を、どういう想いで使うかによって、結果は変わってくるし、テクニックだけで相手を操ろうなどと考えていても、あなたの心が相手に見透かされてしまうでしょう。気をつけたいものです。

また、「叱る」とは、「望ましい行動を促す動機づけ」でもあると、著者は言います。

「叱る」とは相手本位で考え、相手の成長を願い、可能性を引き出すコミュニケーションです。

相手本位であれば、「叱る」ことを恐れなくても良いですね。

 

私は本書を読んで、「叱り方」には、こんなにも様々なバリエーションがあるのかと知りました。(約100件の事例が載っています)

全ての事例を身につけて実践するのは難しいのですが、すぐに出来そうなものから試してみれば、今までよりは上手く出来そうな気がします。

また、叱る前に一呼吸置いて、言葉を選べるようにもなりました。感情に任せて相手に言葉をぶつけてしまっては、相手との関係が悪くなるだけですからね。

 

まだまだ上手く叱ることは出来ませんが、何事も修行です。

本書を読んで「叱り方」を学べば、部下や後輩の成長を促すだけでなく、あなた自身の成長も得られるでしょう。

 

 

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