【書評】泣き虫ピエロの結婚式 望月美由紀

本書は、一枚のハガキに書かれた実話がもとになっている。

ハガキを書いたのは、本書の著者である望月美由紀氏。プロのクラウンとして静岡を中心に活躍しているエンターテイナーだ。

このハガキは、2014年にニッポン放送などが主催するコンクール「第4回 日本感動大賞」に応募され、応募総数1732通から選ばれて大賞を受賞した。

そして同じ2014年には書籍として出版、2015年には「アンビリーバボー」にテレビ出演2016年には映画化、2017年にはDVD化と、トントン拍子で、この作品が多くの人に届けられたことになる。

 

ところであなたは「クラウン」をご存知だろうか?一般的にはピエロをイメージしがちだが、厳密にはピエロではないそうだ。

クラウンとは道化師のこと。有名なところでは、チャップリンやマクドナルドのドナルドだろうか。顔が真っ白で赤い鼻をしたキャラクターだ。

クラウンのモットーは『あなたの喜びは私の喜び』。お客さんに笑顔になってほしい、お客さんに喜びと感動を与えたい。著者の望月さんも、そんな想いで、日々、活動を続けている。

 

本書は、著者の望月さんが、最愛の夫との出会いと別れをつづった物語だ。

中学生の時に大道芸を知り、高校に通いながら大道芸カレッジを卒業してクラウンになったあと、友人に誘われて出かけたバーベキューで、将来の夫となる人と出会う。

紆余曲折の末、無事に結婚。世界でたった一つしかない結婚式。そして最高の結婚式を挙げ、幸せを噛みしめていた。

しかし、そのたった50日後、新婚生活が終わりを告げてしまう。

 

著者の実体験が元になっているので、結婚後の状況や、著者が悲しみに耐える様子などが生々しく、胸が締め付けられる。一気に読み進められなくて、途中で何度も目頭を押さえなければならないほどだった。

自分はいつも、つまらない事で腹を立て、くだらない事に不満に感じながら生きている。

しかし本書を読んで改めて思い知ったのは、健康で仕事があり、家族や友人に囲まれて暮らしていることが、いかに幸せなことなのか、だ。私が抱えている不満など、小さい小さい。

 

もしあなたが今、どうしようもないほどの辛さを感じているのなら、本書を薦めたい。

辛い毎日を生きていく上で大切なことを、プロのクラウンが教えてくれるだろう。

 

。。。以下余談

個人的な話だが、私は望月さんが2011年にあるコンテストに出場したときにスタッフとしてお手伝いをさせていただいたことがある。

その時のセミナーの内容は大変素晴らしく、そこでもまた、私は目頭を押さえながら聴いていたものだ。

私はそれ以来、クラウンもっちいのファンなのである。

これからも元気にご活躍をお祈りしております。

 

 

 

 

 

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